糖質制限は、近年年代性別問わず広く浸透し、根強く流行っている健康法(ダイエット法)ですね。
コンビニやスーパーなどでも、糖質制限用のパンやご飯、麺類など食品が広く出回っている今日このごろ。
医師や栄養の専門家、ダイエットコーチングなどの分野において、糖質制限に対して賛否両論が展開されています。
某Rなどの影響もあって、引き締めるためにダイエットしたい!と取り入れる人も多いかもしれません。
しかし「辛くて続けられない」と断念してしまうケースも少なくないようです。
「意思が弱いから」「これでは健康的に痩せられない」と自分を攻めるのはちょっと待ってほしいのです。
経験者の私からすると強く強く説得したい。
体の自然な対応だからという理屈が、勉強と実体験を通して理解できたからです。
今回では、糖質を1日20g以下に抑えるやり方を3〜4年、そして糖質を一切摂らない「断糖」をほぼ1年続けた私がわかった「糖質制限を止めるべき理由」について紹介していきます。
個人的な体験、体のしくみについての勉強を通して見えた理論ですが、痩せるために糖質制限を続けている人には役だつ情報ですので、ぜひご覧ください。
糖質制限が続かないなら今すぐ辞めるべき理由
- 糖質不足はエネルギー不足
- 消化器系への負担が大きくなる
- ストレスが溜まる
- 長期的に続ける食事法として不適切
- 糖質制限を辞められなくなる
1.糖質不足はエネルギー不足
糖質制限=糖質を摂らない、減らす=エネルギー不足だということです。
確かに脂質の代謝でも人間の体は活動できますし、実際に糖質をほぼ摂らない断糖生活をしていた頃の私も通常生活ができていました。
脂質によるケトン体代謝優先の食生活です。
ただ、自然な人間生活において「糖質代謝(糖質をエネルギーとして消費する)」を優先し、「脂質代謝を日常的に行わない理由」があるのです。
糖質を摂らない、体内で足りていない状況が続くことによるリスクがあります。
そして、それを避けるために「体は自動的に糖質を欲する」ようにできているのです。
厳しい糖質制限を続けることで、内蔵や筋肉だけでなく脳にも影響が及び、疾患や病気の要因を引き起こしかねないのですね。
脂質代謝の健康面でのリスクについて私は断糖生活約1年ほどで知りましたが、これ以上続けなくて済んで良かったと深く安堵しています。
2.消化器系への負担が大きくなる
断糖生活では、脂質とタンパク質をしっかりと食べていくので、カロリーは高いものの腹持ちがよく空腹感を感じることが少なかったのは良いことだったと思います。
しかし、幼少期から内蔵があまり強くなかった私にとって、急にタンパク質を1日に150gや200g消化すること自体かなり大変。
消化器系への負担は半端なかったようで、二の腕は太くなるわ肩が上がったままだわなんか体格が自然に変わってしまってました。
糖質制限を行うような人は、健康意識が高い、ダイエットや美容に興味がある人がほとんどでしょう。
全員とは言いませんが、そういうタイプは健康オタクなために偏った食事をしがちです。
(無意識のうちに「健康的な食生活をしなきゃ」=「健康になりたい」=「今の自分は不健康」という公式を作っている)
同じものを食べ続けるなどで食事のバランスが崩れると、体内で活躍する酵素も偏り、結局総合的な対応力は衰えてしまいます。
気づかないうちに胃腸が弱くなったり、肉や揚げ物が食べられなくなったりするのです。
私たちが意識的に制御している食事に、体内のシステムが調整を行う。これがもともと私たちの体に備わった恒常性のひとつです。
3.ストレスが溜まる
ストレスはダイエットにおける天敵なので、痩せたい人はストレスに対して徹底的に対処した方が良いでしょう。
メンタル面でのケアも、ダイエットを続けて健康的に体型をコントロールする上で非常に重要です。
このストレスに対処できるエネルギー、それが糖質なので制限してしまってはストレスが処理されないまま。
余計に食欲が出ますし、全身の機能低下にもつながってしまいます。
ストレスを感じたとき、イライラすると甘いものが欲しくなりませんか?
仕事や家事などで疲れたーと思ったら、甘い物食べたいと感じませんか?
体の自然な反応なので、抑えずに糖質を補給してあげる必要があるのです。
(糖質の種類、何を食べるかも考える必要がありますが、とりあえずは「糖質」が必要)
糖質制限をしていると、このストレスに対応できる素材が入ってこないわけですから、体内は蓄積されている脂肪を分解してエネルギー補給します。これ、危険です。
詳しくはまたの機会にしますが、脂質=油は炎症などで燃える材料だから火をつけてしまう、火を強くしてしまいます。
4.長期的に続ける食事法として不適切
長期的に続ける食事法として適していないからです。
極端な糖質制限や断糖は短期的な食事法として3か月ほど続けるなら問題ありません。
ただ、健康的に痩せるためには、長い期間をかけて徐々に体を調整していく方がリバウンドしにくくて理想的です。
わたしのように糖質制限で痩せるどころか太る人もいるわけで、そうなるとさらに長期間ダイエットすることになります。
となると、短期間しか続けられない方法は不向きだということがわかります。
では、なぜ糖質を減らす、あるいは摂らない方法を長期間続けるべきではないのか?
理由は、体だけでなく脳の機能に影響が及びます。
肌のターンオーバーが28日とされるのと同じように、血液を構成する赤血球は「100日前後」で入れ替わるとされています。
3か月を目安とする理由は「100日」という数字に基づき、赤血球が完全に入れ替わる前に辞めるという意味です。
4.糖質制限を辞められなくなる
ダイエット方法として糖質制限を始めた人は、順調に痩せられた後通常の食事に戻すとリバウンドします。
糖質制限によって糖の代謝能力がぐんと低下してしまったため、糖質を食べ始めると上手にエネルギー源として使えずに体内に脂肪として蓄積されてしまうでしょう。
一生糖質制限を続けていくからいいんだ、という人はぜひ続けていただいて。
でも痩せて好きなものや旅行先で自由に食事を楽しみたい、という人は糖質制限を辞めた後のリバウンドはきついものがあります。
それなら糖質制限じゃない方法でダイエットしたらいいじゃないですか?
実際、健康的にダイエットを成功させるためには糖質が必要ですから。
(もちろんどんな種類の糖質を食べるか、正しく選ぶ必要もあります。パンケーキばっかり、アイスばっかりでは成り立たない。)
私の糖質制限歴
私のおおよその糖質制限歴は下記記事でも詳しくまとめていますので、読んでみてください。
糖質制限のしくみや得られるメリット、デメリットについて勉強してから実践するようになりました。
子供のころから健康に無頓着な家庭で育ったものですから、ご飯と味噌汁におかずが基本のメニューとして母が用意してくれていました。
食パンや麺類なども普通のスーパーで調達されたもの(無農薬とかオーガニックなんてものは浸透してません)。
過去にはお菓子ばかり食べる不摂生な学生時代を過ごしたこともあり、糖質過多になっていた。
そしてそれが、腸のリーキーガット(腸管がもろくなり、食べたものが適切に消化吸収されずに体内に取り込まれることでアレルギーや体調不良を生む症状)をはじめ、むくみや足など皮膚の弱さ、消化器系の弱さの原因だと知った(と思っていた)のです。
リーキーガットと同時に発生しやすいカンジダ菌(真菌)の過剰発生を改善するために、カンジダの餌である糖質を避ける必要があると知ったため、食事から果物、炭水化物を除去。
ナッツ類やアボカドなどサラダをメインにする生活が始まり、かれこれ2,3年続けました。もちろんカンジダ菌やリーキーガットの状況は大きな改善は見られません。
これには列記とした理由もあったのですが、ちゃんと知ったのはつい最近のこと。
1年ほど前、糖質制限(断糖)とサプリメントによる栄養補給を組み合わせた断糖生活を開始。
はじめ1ヶ月はむくみも消え、体調がめっきり良くなったのですが、それ以降むくみが再発し体が大きくなった(タンパク質量を満たすため肉などの食べ過ぎ)他、良くない状態が続きました。
1年経って「これはおかしい」と気付き、糖質を摂りはじめたところです。
まとめ:糖質制限が辛いなら素直にやめよう
完結にまとめてお伝えしてきましたが、糖質制限を続けて健康になろう、ダイエットしようとしているのに続かない、と悩んでいる人は素直に辞めていいと思います。
人間が活動するのに糖質が必要です。
自然界には糖質のかたまりであるフルーツや穀物、イモ類が存在しており、昔から人間の食事として食べられてきました。
その糖質を完全にカットするということが不自然であると私は思っています。
糖質制限が良いか悪いかは個人の判断に任せるとして、毎日を快適に楽しく過ごすためにも、食べるものくらい少しずつ自由に、好きに選び始めませんか。
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