英語翻訳に本当に役立つ資格はどれ?翻訳業に必要なスキル

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英語翻訳を副業あるいは本業にする際には「資格なんていらない」「持たずにやってきた」という声も多く、これから翻訳を始めようとする人の中には、迷ってしまう人もいるかもしれません。

この記事では、英語翻訳に役立つ資格や、翻訳業務をする上で必要となるスキルについて紹介します。

「資格を取るならこれがおすすめ」という試験や公表されている合格率、難易度など参考になる情報をまとめています。

いずれ翻訳を本業としたい人やフリーランス翻訳を目指す人にも役立つ情報ですので、ぜひご覧ください。

目次

英語翻訳に役立つ資格と難易度

英語翻訳自体は、資格がまったくなくても問題なく行えます。

ただ、持っていることでスキルの証明や案件紹介などのメリットが得られるものも少なくありません。

翻訳未経験から翻訳ジャンルを決めている人まで、それぞれの段階でおすすめの資格を紹介していきます。

【翻訳を始めるにあたり英語力を証明する資格】難易度★★☆

  • TOEICスコア900以上
  • 英検1級以上

TOEIC(スコア900以上)

TOEICテスト(L&R)は英語力の証明として使えます。

翻訳業務を受ける上で、取得資格欄に書ける目安スコアは900以上。

TOEICスコア900以上:受験者全体の5%前後

公式データでは、約36,000人の受験者のうち、スコア895以上が1,832人なので、900超えは約5%だと算出できます。

パーセンテージとしてはかなり低い割合ですが、翻訳業を目指す人はぜひ取っておきたいところです。

TOEICテストの詳細(IIBC公式サイト)

英検1級

英検の最高峰である1級も、翻訳業務では重宝されています。

TOEICテストだと、スコア950以上ともされる難関試験です。

一次試験と二次試験両方に合格する必要があり、TOEICよりも英語のスキルを具体的に証明できる内容になっています。

英検1級の合格率:10%前後

合格率は1割ほどと狭き門ですが、翻訳者は目指す価値ありです。

【翻訳の基礎力から身につけたい人】難易度★★☆

  • JTFほんやく検定
  • 翻訳実務検定TQE

JTFほんやく検定

翻訳専門の試験で、業界的にも入門とされるのがJTFほんやく検定です。

全体としては 基礎レベルと実用レベルの2つに分けられ、5つのランクで構成されています。

  • 基礎レベル:5級・4級
  • 実用レベル(翻訳士の称号をもらえる):得点次第で3級・2級・1級に分けられる

基礎レベルは、どちらかの級あるいは併願で受験可能。

実用レベルは、英日翻訳と日英翻訳で試験が分かれ、どちらか1科目あるいは併願受験が選択可能です。

翻訳者として活動する上で、下記のようなメリットが得られます。

  • 専門的力量を有する翻訳者を評価、登録する制度「翻訳者評価登録制度」(日本規格協会 翻訳者評価登録センター)に認定されている検定なので、1級または2級取得で翻訳者資格登録の申請に役立つ
  • 産業翻訳の業界団体認定検定であり、取得した資格は公的な資格証明となる
  • 2級以上はJTFウェブサイト「検定合格者リスト」とJTF機関誌にプロフィール掲載
  • JTF加盟の翻訳会社(約220社)の一部でトライアル免除、仕事を獲得するチャンスが広がる

JTFほんやく検定の合格率:実用レベル2級で5%前後

1級は、TOEIC900以上でもそうそう受からないとされる難関です。

2019年度のデータでは、実用レベルの受験者数約1,000人に対して、合格者が1級8人(0.8%)、2級41人(4%)、3級105人(10%)だそう。

1級はもはや超人の域ではないかと思われますが汗、2級だけでも十分に個人で翻訳者として活動する上で有利でしょう。

JTFほんやく検定の詳細(般社団法人日本翻訳連盟)

翻訳実務検定TQE

翻訳者向けの検定の中で、実際のトライアルに近い試験として翻訳実務検定TQEをおすすめします。

翻訳学校も運営する翻訳会社「サンフレアアカデミー」が実施している翻訳試験です。

100点満点中70点以上で、翻訳実務士として登録が可能。

実践的な翻訳力があることを証明できる資格といえます。

翻訳実務検定TQEの合格率:約8〜10%

産業翻訳15分野・19科目から選択する必要がありますが、どの分野を受けても良いので、産業翻訳全般に興味がある人におすすめします。

翻訳実務検定TQEの詳細(サン・フレアアカデミー)

【翻訳ジャンルが決まっている人】難易度★★★

  • 知的財産翻訳検定
  • 技術英検

知的財産翻訳検定

知的財産翻訳検定は、特許など実務翻訳業務のためにぜひ取得しておきたい資格です。

電気工学、機械工学、バイオテクノロジー系のバックボーンがある人にも有利な内容となっています。

知的財産翻訳検定の合格率:約20〜30%

合格率からするとさほど難易度は高くなさそうですが、専門的な知識やスキルをしっかり身につけた人が受験することが多く、合格率も高いと予想されます。

知的財産翻訳検定の詳細(日本知的財産翻訳協会NIPTA)

技術英検

技術英検は、かつて工業英検と呼ばれていた英語検定試験です。

「科学技術文書を読む能力 ・書く能力を客観的に正しく評価する」国内唯一の資格検定

(引用元:公益社団法人日本工業英語協会

技術や研究など理工学系の翻訳業務のために役立つ資格で、3級・2級・1級に分かれています。

資料の要約やメールでのやり取りなどビジネス的な英語が使える1級の更に上には、論文読解も含まれる技術英検プロフェッショナルが用意されています。

技術英検の合格率:1級6%前後

1級の難易度はかなり高いですが、科学や技術の英語文書に携わる人は持っておきたい資格です。

技術英検の詳細(JSTC公式サイト)

補足:JTA公認 翻訳専門職資格

一般社団法人日本翻訳協会(JTA)が実施する「JTA公認翻訳専門職資格試験」と、その手前の「JTA公認翻訳専門職資格基礎試験があ」、翻訳者向けの資格ではあります。

JTA公認翻訳専門職資格試験に合格し、2年以上の翻訳実務経験を認められると「JTA公認翻訳専門職(Certified Professional Translator)」のライセンスが与えられる点がメリット。

テストの内容は、

  • 第1科目 翻訳文法技能試験
  • 第2科目 翻訳IT技能試験
  • 第3科目 翻訳マネジメント技能試験
  • 第4科目 出版翻訳能力検定試験/ビジネス翻訳能力検定試験 のどちらか

で、上記1〜4すべてに合格することが条件なので、ハードルが高い。

絵本や小説、スピリチュアル書籍などの翻訳に役立つ「出版翻訳能力検定試験」と、特許翻訳や医療翻訳向けの「ビジネス翻訳能力検定試験」から選ぶため、専門的な知識がある証明としては役立つでしょう。

ただ、「JTA公認翻訳専門職(Certified Professional Translator)」を得るためには時間を要しますし、副業としてやるなら優先順位はそこまで高くないかもしれません。

翻訳副業に必要な英語力以外のスキル

英語翻訳業務をこなすためには、英語力以外のスキルも必要です。代表的なものを挙げます。

  • PCスキル
  • リサーチ力
  • 日本語力
  • 専門分野の知識

基本的なPCスキルとリサーチ力、日本語力はどの分野の翻訳業務にも求められる必須の能力と言えます。

PCスキル

翻訳業務では、翻訳ソフトを使用することが多く、パソコンを使うことに抵抗がない人が有利です。

また、完成品をメールで送付する、あるいは指定のファイル形式に変換してフォルダに納品する、といった対応も求められます。

日本語を効率良く、かつ正確にタイピングできることも重要です。

リサーチ力

文章を書く作業には、リサーチ(調査)がセットでついてきます。翻訳も例外ではありません。

ネット上の情報を探してくる、図書館や書店で関連事項が載っている書籍を参照する、といった作業は必須です。

参照した文献や書籍は、訳文とともに記録しておく必要があります。

調べ物に抵抗なく取り組める、完全に明白になるまで調べられる、といったスキルも重要でしょう。

日本語力

翻訳は英語ができる人全員ができるとは限らないのは、日本語力も必要だからです。

登場するシーンや使い手などの条件を統括的に考慮した上で、適切な日本語の表現を構築する技術が求められます。

翻訳の経験がある人は、この的確な日本語を見つけてくる作業に慣れており、効率的に訳文を作成できます。

英語の直訳では翻訳とは言えませんし、日本語として理解しやすくても原文からかけ離れてしまっては意味がない。

その辺りのバランス感覚が、翻訳者には求められています。

日本語力を上げる、翻訳全般の力をつけていくためには、実践も大切です。

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専門分野の知識

専門分野がある方が有利であるとされるのも、翻訳をする上で、専門用語や独特の言い回しなどを知っている必要があるからです。

専門的な翻訳者は不足傾向にあるため、ニーズのある分野に精通した翻訳者になることで、安定した活動が見込めるでしょう。

最後に:翻訳業務を請け負うにあたっての資格のとらえ方

翻訳業務を副業にするにあたり、資格は「必須ではないが、あると幅広いメリットがある」という位置づけです。

翻訳業務を受けるために必要なものは、求められる業務を正確にこなす実力。

資格はその証明となるひとつの手法なだけであって、国家資格など必ず持っていないと仕事ができないわけではありません。

資格取得には勉強時間や受験費用がかかるので、業務自体にかける時間を減らしてしまわないよう、バランスも考えて資格試験を検討すると良いでしょう。

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