フリーランスとして活動する上で、経費管理は欠かせない作業です。
毎日の業務が忙しく経費の管理まで手が回らない、という人は事業用としてクレジットカードを用意しておくと確定申告を含めて管理がスムーズです。
今回は、フリーランスの経費管理の流れとコツ、クレジットカードの使い方などについて紹介します。
筆者も私用している事業用クレジットカードのおすすめもピックアップしました。
フリーランスになるとクレジットカードが新しく作れないのか、という疑問についても迫っています。
フリーランスになる予定の方や、実際にフリーランスで事業用カードを検討している方はぜひご覧ください。
フリーランスの経費管理の流れ
フリーランスの経費管理の流れには、主に下記の3つがあります。
- 経費の記録と仕分け
- 取引先とのやり取り
- 確定申告
ビジネスに必要なツールや移動費、打ち合わせ費用など、日々の経費を記録・仕分けします。
クライアントからの報酬や外注先への支払いなど、取引先とのお金のやり取りも併せて記録しておきます。
確定申告は、1年分のお金の流れをまとめて申告し、正しく納税するための棚卸しのような作業です。
経費管理には、クレジットカードや会計ソフトなどのツールが必要です。
【フリーランス用経費管理必須ツール】
- 事業用クレジットカード
- 事業用口座
- 会計ソフト(または帳簿)
- レシート(領収書)
事業用口座を事業クレジットカードに結びつけておけば、経費管理がシンプルになります。
アナログな帳簿での管理も良いですが、記入ミスや記録漏れを防ぐ意味でも会計ソフトは有利です。
レシートや領収書は、確定申告が終わっても保存しておくよう定められています。
フリーランス経費管理のコツ
- 事業用のクレジットカード&事業口座のみを使う
- 経費管理の定期スケジュールを決める
- 経費管理だけを行う時間を設ける
経費管理を効率化するためには、経費まわりのツールを一元管理できる仕組みづくりが大切です。
事業用のクレジットカードだけでビジネス関連の支払いをするよう、日頃から徹底しましょう。
日頃からレシートの管理や帳簿記録などをルーティン化できると理想的です。
その際、以下のように定期的なスケジュールを決めておくと取り組みやすくなります。
- 1日・1週間ごと:毎日(or毎週)レシート管理
- 1ヶ月ごと:月末(or月初)には1ヶ月分の経費をまとめる
- 1年ごと:年末(or次の年の頭)に1年分の会計をまとめる
ただ、業務が忙しいなどでルーティンとして取り組めない人もいるでしょう。
経費管理だけを行う時間を設けて、一気にレシートの整理や帳簿記録をやってしまうのです。
確定申告の前に一度にやろうとしても量が多く、時間が取られてしまい、他の業務に影響します。
時間を決めてやりきるようにしましょう。
経費管理の効率化に会計ソフトがおすすめ
経費管理の効率化には、やはり会計ソフトの導入をおすすめします。
領収書やレシートの自動仕訳といった毎日の記帳管理から、確定申告書類の作成まで半自動的に行ってくれます。
やよいの青色申告オンラインなら、無料プランから利用可能。
確定申告に必要な機能が完備されている「セルフプラン」は、お試し期間中は無料ですべての機能が使えます。
その後も1ヶ月あたり約733円と格安ですが、もちろん、経費として計上できます。
来年の確定申告を見据えて会計ツールを使い始めていきましょう。
事業用カードを私用カードと使い分けるべき5つの理由
事業用と普段用のクレジットカードを分けるべき理由は次の5点です。
- 経費の一元管理ができる
- 確定申告にかける時間を減らせる
- 利用明細がレシート替わりになる
- 事業口座を結びつけることで社会的信用につながる
- 節約すべき項目を把握できる
1.経費の一括管理ができる
事業用のクレジットカードを使うと、経費の一元管理が可能です。
フリーランスになったばかりは、本業の業務に加えて経費や会計まわりまで管理しなければならず、負担に感じる人もいるでしょう。
私用のクレジットカードを分けて事業用カードを使っていると、明細で使った経費が確認できます。
また、パソコンやモニター、必要なソフトなど、いろいろと揃える必要も出てくるでしょう。
経費で備品を揃える際にも、事業用クレジットカードがあれば一枚でビジネス分のお財布が管理できて便利です。
2.確定申告にかける時間を減らせる
事業用カードでビジネスのお金を一括管理すれば、確定申告がスムーズです。
確定申告の時期になって1年分まとめて処理を始めても時間がかかり、2〜3月の仕事に影響しては元も子もありません。
事業用カードの明細を見れば、何にいくら使ったかが一発でわかり、申告する書類に記載するための仕分けも効率です。
その分、本業に費やす時間や休みを増やすことも可能です。(フリーランスこそ休みは重要です!)
慣れないうちは面倒に感じられる確定申告の手間を削減できます。
3.利用明細がレシート替わりになる
クレジットカードの利用明細は、領収書やレシートの代わりに経費計上時に利用できます。
レシートよりも保管する枚数が少なくて済み、万が一なくした際の再発行も自分で簡単に行えます。
1ヶ月ごとの経費の金額や支払いを把握するのにも便利です。
4.事業口座を結びつけることで社会的信用につながる
事業用クレジットカードに事業口座を結びつけることで、社会的信用のアップにつながります。
基本的に、事業用クレジットカードと事業用銀行口座はセットで使うことをおすすめします。
屋号が入った事業口座を開設していれば、社会的な証明となり、カード審査においてカード会社から信用を得やすい点も魅力です。
5.節約すべき項目を把握できる
事業用のクレジットカードで経費を管理していると、どの費用を削れるかも一目瞭然です。
事業用カードの明細をオンライン上で閲覧できるので、キャッシュフローの改善が簡単になります。
ビジネスにかけられる経費が多いほど節税にはなりますが、さほど金額には影響しないこともあります。
経済的に自律するためには数字で金銭管理する能力は必須で、無駄な経費を削ることも大切です。
効果的な節約方法については下記記事もご覧ください。
フリーランス向け事業用クレジットカード2選
フリーランスにおすすめの事業用クレジットカードのおすすめとして、楽天カードとAMEXビジネスカードを紹介します。
1.楽天カード:ポイント重視派
楽天カードは、年会費無料で持て、楽天ポイントをがっつり稼ぐことができます。
楽天経済圏と呼ばれる、楽天市場での買い物から楽天モバイル、楽天でんき、楽天証券などを使うことで、同じ楽天市場での買い物でもポイントが数倍になります。
楽天ポイントは1P=1円として楽天経済圏で使えるため、単純な割引と同じです。
海外旅行時に必須の保険も自動で加入できる点もとても魅力的。
2.AMEXビジネスカード:ステータス重視派
AMEXビジネスカードはステータスカードのひとつ、という見方もあり、ステータス重視でクレジットカードを選びたい人にはおすすめです。
AMEXはグリーンカードからゴールド、プラチナ、ブラックとランクがありますが、グリーンカードからAMEX限定のイベント参加券やサービスといった特典がついています。
ただ、年会費が非常に高額なのがマイナス。
「普段の買い物からマイルを貯めておきたい」「ステータス重視で事業用カードを持ちたい」という人にはAMEXビジネスカードもおすすめできます。
フリーランスはクレジットカードが作れない?
フリーランスだから、というよりも収入が保証されていなからカードの審査に通りにくい、という印象です。
フリーランスだと、賃貸や住宅ローンといった住まいに関する契約の難易度の方が高くなる気がします。
ただ、フリーランスだからといってクレジットカードが作れず、賃貸契約ができない訳ではありません。
物件にもよりますが、確定申告の控えなどで収入や税額を証明すれば問題なく契約できる可能性が高いです。
クレジットカードの場合は、ある程度の収入額がないと作れない一部のステイタスカード以外は、過去の信用状態がキレイだとスムーズに発行できることが多いです。
実際、フリーランスになってから筆者はクレジットカード審査に通って、2枚カードを発行できています。
うち1枚は安定の楽天カードです。
楽天経済圏(楽天市場で買い物、楽天でんきで電気契約、楽天カードで支払いなど)で使えばポイント還元率が高いので持っていて損はないでしょう。
クレジットカードが作れない場合の対処方法
審査に通らず、新しくクレジットカードが作れない場合には次の選択肢があります。
- フリーランスになる前にカードを作っておく
- ビジネス用にクレジットカードを新しく申し込む
- 作れない場合はVISAデビットカードで代用する
1.フリーランスになる前にカードを作っておく
フリーランスとして独立する前にクレジットカードを作っておくことです。
正社員として雇用されている場合は、ほとんどの審査に通りますし、派遣社員や契約社員でも審査に通るカードは多数あります。
フリーランスになった後もコンスタントに使用して、滞ることなく支払いを続けていれば、利用可能額や付帯機能もそのままで使えることが多いでしょう。
2.事業用クレジットカードを申し込む
フリーランスや個人事業主向けの事業用クレジットカードに申し込むのもひとつの手段です。
そのまま事業用カードとして使用できるので、簡単ですね。
独立したばかり、起業したばかりでも作れると謳っているので、創業のタイミングで申し込むのも良いでしょう。
3.デビットカードを作って事業用として使う
クレジットカードの審査が通らない場合は、デビットカードで代用できます。
デビットカードは、引き落としまで時間があるクレジットカードと違って、支払い金額が口座から即時引き落としされるカードです。
現金を持ち歩かなくても支払いができ、クレジットカードのように使いすぎる心配もありません。
VISAやJCBなどの国際ブランドがついているものは、基本的にはクレジットカードのVISAやJCBと同じ扱いです。
ほとんどが年会費無料、海外通販などでも問題なく使えますし、ペイパルにも登録できるので不便さはありません。
筆者のおすすめは、ソニー銀行のデビットカードです。
以前海外旅行に持っていきましたが、ほとんどのショップの支払いで利用でき、現地の手数料無料でATMから引き出せるなど、メリットが多く非常に便利でした。
ジャパンネット銀行のデビットカードも使っていましたが、現在はpaypay銀行となっており、それ依頼使っていません。
その他、楽天銀行デビットカード(JCB)は楽天ポイントが貯まるなど、使い勝手が良くおすすめです。
楽天銀行の口座開設時に、デビット機能が付帯したカードを選択することもできます。
まとめ
フリーランスの経費管理は、本業に負担をかけずにスムーズに行うことが大切です。
会計ツールや事業用クレジットカードは、金額や種目の入力が半自動化できるため、効率的な経費管理ができます。
本業の業務に集中できると、さらにビジネスの発展につながります。
事業用カードを作って、帳簿記入や確定申告にかかる時間と手間を短縮しましょう。
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