PMDD(月経前不快気分障害)は、メンタルに重大な影響が出るPMSという位置づけがされています。
程度が軽い場合は、対処することも可能かもしれませんが、自分自身をコントロールできないほど重症の人もいます。
まる別人のように様変わりし、まわりの人間関係にも影響が及ぶケースも報告されています。
日本の婦人科でもまだまだ浸透率が低いこの症状に、どう対処すべきなのか。そして何ができるのか。
この記事では、PMDDとその症状に対する対策と題して、辛い月経症状に苦しむ人へのメッセージを書いています。
筆者自身、PMDDっぽいと気づいてからは多少は楽になりましたが、それでもピークには世界の終わりが押し寄せてくるかのごとく辛く感じます。
PMSや生理痛に伴って、メンタルの落ち込みや気分の波が大きくなる人、ヒステリーに悩む人は、もしかするとPMDDかもしれません。
PMDDを持つ人の心の励みになるようにまとめていきますので、ぜひご覧ください。
PMDDは「最も理解されていない月経症状」
PMDD(月経前不快気分障害)は、生理前にやってくる精神的な不快症状のこと。
ネット上やSNS内では使われる場面が増えていますが、それでも生理関連の症状の中ではまだ浸透率が低く、最も理解されていない症状のひとつといえるでしょう。
生理が近づくタイミングで理由もなく気分の落ち込みや不安が高まり、強い焦燥感や悲しみに襲われます。
真っ暗闇に閉じ込められたような気分になり、世界の終わりのような感覚を覚えるなど、人によってさまざまです。
生理が始まる2、3日前〜2週間前から症状が出始め、だいたいの人が生理が始まると落ち着きます。
人によっては人格がまるで別人のように変わり、職場や家庭生活にも影響するケースも海外では多く報告されています。
比較的PMDDが認知されている海外でも、まだ明らかにされていない部分が多いのが現状で、日本では知らない婦人科医も少なくありません。
理解のある婦人科や病院では、低用量ピルの処方やホルモン治療を提案してくれます。
ただ、的確な対処方法やメカニズムについて不明な部分もあり、判断できる医師は限られているようです。
理解している人だけでなく、知っている人が少ないために、婦人科に相談しても理解されずモヤモヤする。
家族や同僚などまわりの人にも理解されないから医師という専門家にかかっているにも関わらず、「わがままだ」「甘えだ」などと、心のない言葉をかけるドクターもいるのだとか。
残念でなりません。
PMDDチェックリスト
「もしかするとPMDDなのでは?」と思ったら、チェックリストを見てみると良いでしょう。
クリニックや女性向け健康メディアなどで公開されていますので、一度やってみてください。
YESかNOで答えましょう。
- Q1 感情が不安定になる
- Q2 いらだち、怒りの感情があり、対人関係でいさかいが増える
- Q3 うつっぽさ、絶望感を感じ、自分に批判的になる
- Q4 不安、緊張、高ぶっているという感覚がある
- Q5 仕事・学校・友人関係・趣味に対しての興味が減る
- Q6 集中力が低下する
- Q7 疲れやすく、気力がわかない
- Q8 食欲が増したり、特定の食べ物を食べたくなる
- Q9 過眠または不眠になる
- Q10 圧倒される、または自分をコントロールできない感覚がある
- Q11 乳房の痛みや張り、関節痛や筋肉痛、頭痛、むくみ、体重増加などの身体症状がある
(引用元:女性の健康推進室ヘルスケアラボ)
5個以上チェックが入るとPMSやPMDDの可能性が高いと表示されるようです。
サイト上でPMDDかどうかをチェックできるので試してみてください。
PMDDに対して今できること
PMDDっぽいなと自覚できたとき、何かできることがあるとすれば、婦人科にかかることでしょう。
病院の口コミなどを参考にして、低用量ピルや漢方を処方してもらえるかもしれないので、PMDDに理解のある病院やクリニックに目処をつけてから訪れてみてください。
ただ、ピルや漢方がどの程度効果を発揮するかは使ってみないとわかりませんし(当然ながら)デメリットもあるので、まずは自分でできる対処を試してほしいなと思います。たとえば、
- 毎月の症状を記録につける
- スケジュールを調整する
- 月経の調子を良くするための対策をする
- 家族や同僚などまわりの人へ伝える など
自覚できる範囲でどんな症状が出ているか把握することが大切です。
毎月生理の何日前からどんな症状があり、どんな気分になったのかを記録することで、自分のサイクルを見つけて対処ができます。
自分のサイクルがある程度明確になれば、スケジュールを調整しやすくなります。
大事な予定がある日を、PMDDの症状が出ない期間に設定して、影響を抑えられるでしょう。
家族や友人など、身近な人にPMDDの症状が出て辛い、ということを伝えることも有効ではあります。
ただ、理解を得られない可能性も否めないので難しいところですね。
関係性次第では、伝え方や伝えるタイミングを工夫した方が良いかもしれません。
低用量ピルや漢方の処方について
PMDDをはじめ、PMSなど生理関連の症状に対して低用量ピルを処方してくれる病院は多く存在します。
ただ、中には低用量ピルを辞めた後の副作用や、そもそもの使い方に対して疑問を持つ医師もいます。
確かにホルモン系の不調に一定の効果を発揮するものではありますが、適切な診断のもとで処方を受けることが大切です。
また、根本的な解決や治療にはつながらないこと、副作用があることを理解した上で使用することが望まれます。
低用量ピルしかり、漢方しかり、抗うつ剤しかりです。
とはいっても、少しでも楽になるなら低用量ピルでも何でも飲みたい!と思えるほど辛いのがPMDDなのですけどね。。
ホルモン関係の健康の鍵は「脂質代謝」
ここで、少し体のメカニズムの話を。
生理に関する不調の原因であるホルモンの鍵を握るのは、脂質代謝だといえます。
ホルモンの原材料は、コレステロールという成分です。
コレステロールは他にも、細胞膜を作る、脂肪の吸収を助ける、などの働きをします。
女性ホルモンのエストロゲンが脂質の代謝に深く関わっているため、
このあたりに関してはまだ理解が及んでいないので、もう少し腑に落ちてから公開したいと思います。
わたしのPMDD
わたしの場合は、生理前日に真っ暗闇に閉じ込められたような気分になり、世界の終わりのような感覚を覚え、涙が出ます。
そして次の日に生理が来て、気分がころっと変わり「アレはなんだったのか」というオチが、PMDDのサイクルです。
PMDDに気づいたのは、あるとき、アロママッサージ系のセラピーを受けたときのこと。
女性のセラピストさんに、マッサージ前のカウンセリング時に生理について聞かれ「生理前に、よく死にたくなります。」とカミングアウトしてしまいました。
その人が特別信頼できそうだから、とか、相談したかったから、といった明確な理由はありません。
ただ、精神的に落ち込みが激しくなり、夜中に思いっきりただ泣きじゃくる日が、ちょうど生理が来る前日だと気づいた時期でした。
生理が始まると気分がケロッと晴れて、死にたいなんて微塵も感じなくなることにふと気づけたのです。
不定期に落ち込みに襲われていたと思っていたのが、生理に関係していて、しかも定期的かもしれない。
ただただ意味不明だったメンタルの落ち込みの原因を解明できた、と思い、他人にも話せたのだと思います。
するとその方は「えっ」と驚いた後「あーでもたまにいますよね、体調じゃなくてメンタルにくる人」と言いました。
自分だけではないとわかったことで、わたしの中で安心感が生まれました。
その方が教えてくれたことで、生理前の落ち込みをより客観的に見られるようになりました。
今はPMDDによる落ち込みが出始めても、生理が始まるまでは元気。
自覚があり生理が来ると終わることを理解しているので、仕事や趣味、生活のことに打ち込んで気を紛らわせています。
最後に:まず自分がそばでケアしてあげよう
余裕がないほどPMDDが辛いときには、客観的になんて考える無理だというのも重々承知しています。
でも、どんなときもわかってあげられるのは自分自身です。
まずは、自分で自分の状況をできる限り理解してあげてください。
PMDDに悩む人は少なくないと、Twitterなどを見ていて知ることができます。
少しでも楽になるために薬をもらいたいと婦人科や病院にかかっても、まともにとりあってもらえず悲しい思いをしている人の話も出ています。
相談できる唯一の相手だと思い、勇気を出して病院にかかったにも関わらず、わがままや甘えといった考えで跳ね返されてしまう。
本当に残念で悲しすぎます。
メンタルの問題は、自覚することが難しく、よって他人には気づくことや理解はさらに難しいものです。
自分の辛さを訴えても、根性論やからかいなど心のない言葉をかけてくる人も残念ながらいます。
身近な人であっても、理解しようという気すら見せてくれないかもしれません。
信頼できる婦人科を見つけて、安全にピルや漢方の処方を依頼できるとベストですが、ピルや漢方の副作用についても理解しておくことが大切です。
(ピルは自分のホルモンがするはずの仕事を代わりにやってくれるが、ピルを辞めると仕事ができる人がいなくなり不調が進む可能性がある)
少しずつPMDDという症状に対して理解が進み、症状がある人がいること、自分ではコントロールできない状態に陥ってしまうことが世界に浸透していくことを願います。
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