「ありがとうとお金の法則」は、作家である小林正観さんによる著書です。
スピリチュアル好きな人なら、小林正観さんという名前は知っているという人も多いのではないでしょうか。
筆者自身、スピリチュアルは好きなので、どこかで聞いたことがあると思ってはいましたが、著書は読んだことはありませんでした。
書店でパラパラと立ち読みした際に、気になるワードがいくつかあったので購入し読んでみたのですが。
これが予想に反して()中身が詰まっていて、読み終わった後に充実感がありました。
今回は、小林正観著「ありがとうとお金の法則」のブックレビューを書いていきます。
スピーディにさくっと読めるページ数の文庫本ですが、内容は軸がしっかりしていて、いろいろと学べました。
ビジネスをやる人間として、初心や原点に戻してくれた感じがあります。
以下の条件に当てはまるような人には、特におすすめの内容です。
- お金やビジネス、仕事で行き詰まった感じがある
- 「感謝するとお金が入ってくる」とただ信じようとしている
- 感謝とお金なんて胡散臭いと思う
- スピリチュアルが好きで現実逃避したい
- 小林正観さんのお名前は存じていても、活動や思想などはよく知らない
つまりは、幸せ・お金・仕事の間で悩む人、思うことがある人に読んでみてほしい一冊です。
ありがとうとお金の法則を読んで学んだこと
書籍を読んで、参考にしたいと思ったことや印象に残った内容を紹介していきます。
- できごとの意味は考えなくていい
- 「努力」の本当の意味
- 一人勝ちの役割
- 欲深くてなんぼ!
1.できごとの意味は考えなくていい
交通事故に合った、
友人から連絡が突然途絶えてしまった、
大切にしていたグラスを落として割ってしまった、
よく行く店のスタッフが感じ悪かった。
これってどんな意味があるのだろう?
何をわたしに教えようとしているのだろう?
スピリチュアルが好きな人や、そっち系?の人にはありがちな傾向のひとつではないでしょうか。
縁起が悪い、運が悪いとされるようなことが起きても、そのことの意味を考える必要はない、と小林さんは言っています。
どういうことかというと、
質問という形で、気に入らないことを言っているだけ。
(自分が)思うように、納得できるように現実が進んでいない、という愚痴なだけである。
質問をして、気にいるような説明を求めている、という訳です。
現実をその通りに受け取れていない、現象を否定している状態です。
引き寄せの法則などでも言われるとおり、今ここを拒否していると、自分の本当の人生の流れに乗ることはできません。
むしろ、流れに反することとなり、本来の流れに戻るために出来事が起きてくるのです。
起きたことの意味を考えるよりも、大事なことは淡々とやるべきこと、やると決めたことをやっていくことにあります。
起きることは神の領域であり、自分でコントロールするものではない、ということです。
気になる出来事が起きても「はいわかりました」くらいにしておいて、淡々と目の前のことをやっていけばいい。
そこから先、すべてのことは神の領域。
2. 「努力」の本当の意味
「天才は99%の努力と1%の才能」などといわれるように、努力はうまくいかせるためにしなければならないこと、というイメージが強いかもしれません。
しかし、好きでやっていることは努力とは言わないとのこと。
努力とは自分の力しか信じていない(独力)前提のもとで行うものだといいます。
自分の力しか信じていない状態で行動しても、うまくいきにくいどころか、うまくいったとしても長続きすることはありません。
先に述べた「流れ」とは違うもの、ということですね。
では、努力の反対はなにか。小林さんは、努力の対義語は「感謝」だと話しています。
他人のサポートや神様の計らいに心から感謝できる人が、本当の意味で人生を歩んでいるといえるのでしょう。
そのためには「腹を立てない、怒らない、怒鳴らない究極の怠け者」になる必要があるのです。
カリカリしている人には近寄りたくないですし「なにか困っていることない?」と支援する人もいません。
自分のちからなんてこれっぽっち、というかむしろ無いのだとわかれば、自然と感謝が湧いてくるものです。
努力ではなく感謝できる人になろう。
3.一人勝ちの役割
個人的に面白かったのが、一人勝ちの役割についてのエピソードです。
一人勝ち、というと良くないイメージを持つ人も多いはず。
特に日本は「抜け駆けしてズルい」「まわりへの配慮がない」などと思われやすい風土です。
実際に「自分だけ儲かっていいのだろうか」と考える経営者や店主も少なくありません。
ただ、一人勝ちこそ周囲の人や関係者、そして社会への貢献につながる道だといいます。
紹介されていた商店街復活の例を挙げます。
廃れていた商店街のうち1軒だけ行列ができる人気店を作る
→人の流れができる
→まわりの店に足を止める人、お金を使う人が増える
→商店街全体の活性化へ
このように、1軒だけが儲かることにより、次第に周囲が巻き込まれ、全体が良い流れに乗れるのです。
同じようなことが、フォロワーの多いインフルエンサーにも起きていますよね。
多くの人がフォローしているインフルエンサーが紹介するものや店舗は、それだけで話題になり売上が上がっていく。
そう考えると、「1人勝ちは良くないことだ」なんて思う必要がなく、むしろ1人でも勝ってその役割を他人や地域のために力を使うべきだと感じます。
個人的に、人の間の勝ち負けは好きではありませんが、役割を果たせるのであれば十分に価値のあることだと理解できました。
1人勝ちすることで、大切な人や社会に還元できる。
4.欲深くてなんぼ!
小林さんは、人間は欲深くていいといいます。
スピリチュアルが好きな人なんかは、欲深いのは罪みたいに思う人もいるでしょう。
欲深くなって「究極の損得勘定」ができる人になることを意味して、欲深くてなんぼだと話しています。
究極の損得勘定は、自分ではなくまわりの人に対する損得勘定を指します。
自分ではなく他人や社会のために究極の損得勘定ができる人間を目指そう。
おまけ:トイレ掃除の件
書籍の中では、トイレや台所、お風呂の掃除も推奨されています。
水回りは人が嫌がる場所だから、自分はすすんで掃除をしよう、という話です。
トイレ掃除を素手でするとお金が入ってきた、というようなことも書かれています。
ここは盲信しすぎない方がいいと思っていますが、掃除自体は気持ちよく暮らす上で重要なので、やるに越したことはないでしょう。
素手じゃなくても、トイレがきれいな状態を保てれば理想的ですね。
ありがとうとお金の法則の著者と概要
著者の小林正観さんのプロフィールを紹介します。
1948年、東京生まれ。作家。2011年10月逝去。学生時代から人間の潜在能力やESP現象、超常現象に興味を持ち、心学などの研究を行う。講演は、年に約300回の依頼があり、全国を回る生活を続けていた。
(引用元:ダイヤモンドオンライン)
生前は、作家活動だけでなく、講演会など全国で活躍されていたとのこと。
- 『楽しい人生を生きる宇宙法則』
- 『「人生を楽しむ」ための30法則』
- 『笑顔で光って輝いて』
- 『心を軽くする言葉―宇宙を味方の「か・が・み」の法則』(オーディオあり)
- 『「そ・わ・か」の法則』
- 『「き・く・あ」の実践』
- 『釈迦の教えは「感謝」だった』
- 『淡々と生きる: ―人生のシナリオは決まっているから―』
- 『無敵の生きかた』
- 『ありがとうの神様』
- 『この世の悩みがゼロになる』
代表的な著書を抜き出してみましたが、上記以外にもかなりの数の作品があります。
が(我)をなくすと「かみ」になるという「か・が・み」の法則なんかは、覚えやすい理論ですね。
神社の話などでもときどき登場するので、知っている人もいると思います。
好きなところから読めて、誰にでもわかりやすい文庫本が多い点は良心的です。
ありがとうとお金の法則の中で気になったこと
書籍の内容に関して、気になることは特にありません。
文庫本でページ数も少ない分、読みやすいのですが、結論を急いでいるような箇所が多々ありました。
途中の説明を端折って結論を述べている感じが、ちょっと気になりましたね。
「〜〜だから、◯◯になって、こうなります。」と淡々としていて、冗長な表現がない分わかりやすいともいえます。
ただ、途中の説明をすっ飛ばして、結論の一文を書いて項を締めくくっている感じも否めません。
著者の他の本などで、より詳しい解説が読めるのかもしれませんが、この本だけを読んだ者としてはちょっと気になりました。
最後に:ありがとうとお金の関係以上のことも学べる
小林正観著「ありがとうとお金の法則」は、読んでみたら感謝とお金の関係以上のことも学べる本でした。
個人的にビジネスを勧めていく上で、根本的な考えを改めて思い出させてくれた一冊です。
わたし自身、自我を完全に捨てきれている訳ではなく、まだまだ修行中の身。
起こったできごとに余計な意味をつけず、自分の努力だとおごることなく、淡々と現実に取り組もうと思い直しました。
過去にお金で困ることが多かった人やお金で困っている人はもちろん、経営者や事業のオーナー、リーダーやマネージャー層の人にもぜひ読んでみてほしい本です。
(とはいっても、現時点でお金に困っている人は、現実的な行動が必要なことには変わりないのですが、汗)
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