「フリーランスにいつかなりたい」「雇われから開放されて自由に働きたい」
そんなふうに思っている方に、ぜひ先に知っておいてほしいことがあります。
フリーランスは不労所得ではなく労働所得ですので、少なからず働く時間が必要です。
今回は、フリーランスに関する理想(イメージ)と現実を、現役フリーランスがまとめました。
この記事はこんな人におすすめです。
- フリーランスを目指している人
- フリーランスになりたいと考えている人
- フリーランスを将来の選択肢としている人
「フリーランスで好きに働ける」のは本当か?
フリーランスは、会社員とは違って人それぞれに状況が異なります。
収入が不安定というイメージが強いですが、安定して仕事をしながら収入を得ている人ももちろんいます。
手前味噌ですが、私自身も長く付き合いのあるクライアントからは安定して仕事をいただいているので、安定していると言えばしています。
もちろん、クライアントから依頼がなくなれば、その分の収入はゼロなので、ある意味不安定でしょう。
コンスタントに営業をしながら、新たに仕事をいただいて収入を得続ける、という方法もあります。
フリーランスライターになりたての頃の私が、まさにそのスタイルでした。
フリーランスに向かない条件リスト
まとめると、次のような点が挙げられます。
- 今の仕事が嫌で、ただ辞めたい
- すぐに仕事が取れる専門的な分野やスキルがない
- 貯金がない(借金がある)
それぞれ具体的に見ていきましょう。
1.今の仕事が嫌で、ただ辞めたい
「今の会社が嫌で、フリーランスで好きに働きたい」
「社畜から脱出して、自由に稼ぎたい」
そういった思いを抱えている人もいるでしょう。
最近はSNS上から書籍、雑誌などの媒体まで、幅広いメディアで脱社畜といった流れが見られ、不満を抱えて会社員を続ける人を刺激していますね。
そういった思いだけで退職してしまうのは、リスキーでしかないことは、言わなくても容易に想像できますね。
何かが嫌、納得いかない、といった思いだけで行動してしまうと、フリーランスになった後も嫌な点や納得いかないことが目について、結局うまくいかなくなるからです。
フリーランスになる、ということは、フリーランスとして活動を続ける、ということ。
何かやりたいことがある、それに時間を使いたい、稼ぐと決めている、という動機でフリーランスになる方が健康的です。
ちょっとしたことでつまづいても、立ち上がりが早いので続けられますし、リスク回避もしやすい。
当たり前に思える条件ですが、一番重要なので改めてご説明しました。
2.専門的な分野、あるいはスキル、職歴がない
専門的なスキルや知識がすでにあって、スムーズに仕事が取れて働けるという人は、営業をして仕事を取ることが比較的簡単です。
それまでの人脈を活かして依頼を受けることも可能かもしれません。
そうでなければ、フリーランスになってすぐに安定を確立することは難しいでしょう。
もちろん、フリーランスとして活動する中で、専門知識を身に着けていっていずれ専門家となる方法もアリです。(私もそのタイプ)
それなりに経験が必要、つまり時間がかかりますので、そこは覚悟と忍耐あるのみ。
3.貯金がない(借金がある)
フリーランスだけでなく、個人事業などにおいてもお金の管理は必須事項です。
生活費だけで1年分、理想的には2年分の貯金が必要と言われます。
家賃や光熱費、食費、通信費をはじめ、毎月支払っているお金を把握しておくこともマストでしょう。
貯金が十分あるかどうか、一度計算してください。
それから同時に借金があると、毎月支払わなければならない出費ある分、収入が減ってしまった際の負担が大きくなります。
借金があって貯金がないのは、精神的に最もキツい状態でしょう。
収入を得るために働きすぎる or 嫌な仕事をやる
→メンタルあるいは体力ストレスが増える
→健康を害する、仕事が嫌になる
→フリーランスを続けられなくなる
といった負のスパイラルも考えられます。
貯金がなくても、クレジットカードやローンといった借金は、収入が不安定な状況において大きなリスクです。
フリーランスに不向きでもフリーランスにはなれる
ここまで読んできて、条件に当てはまっていて、フリーランスを諦めそうになった方、安心してください。
フリーランスに向かない条件を満たしていても、フリーランスになれます。
私自身、貯金はありませんでしたし、会社にいる時間が無駄だという思いの方がライターをやりたいという思いよりも強かったです。
経験談からいうと、勢いでフリーランスになるという選択肢もアリ。
ただ、思い切り精神的にも現実的にも不安定ではあるので、覚悟は必要です。
本当に嫌で嫌でただ抜け出すしかない、というときには、辞めてみてそこから考えればいいのです。
・・・先に述べた条件、元も子もありませんね。でも、そう思っているので隠しません。
そこまでしないと踏み出せない、ということもあるでしょう。
重要なのは自分にとって譲れないポイントをはっきりさせる
重要なポイントは、これに尽きます。
自分にとって何が大切で、何が譲れないのか。
ここさえはっきりしていれば、フリーランスであっても会社員であっても満足するような形で続けていけるはずです。
私の場合、
- 満員電車で通勤するのが(体調的に)無理
- たいして仕事がない日でも出勤しなければならない理不尽さが耐えられない
- 平日に自由に動ける時間がほしい
- 毎週休みがなくてもいいから、納得いく報酬で仕事がしたい
などの点から、フリーランスを続けてこれました。
見てわかるとおり、「安定したい」という動機はこれっぽっちもありません。
安定した収入がほしい、という方は理想的な環境や人間関係がある会社に会社員として雇われるのがいいと思います。
(そもそも、会社員であってもリストラなどもあるので、安定かどうかは微妙なところです。
新卒で入社した会社は1年後に民事再生手続を行い、退職することになった経験が私にはあるので、会社員=安定という方程式は当てはまらないと、体で知ってしまったので。)
源泉徴収やら税金やら保険やらについて、自動的に会社のシステムが行ってくれますから。
フリーランスはそういったことも自分でやるか、お金を払って外注することになります。
そうしたことも含めて、フリーランスになりたいか、を考えてみるべきでしょう。
副業として始めるのもあり
現在、副業に関しても大幅にゆるくなってきていますよね。
会社員を続けながら、一方で趣味を仕事として少しずつ形にすることも、社会的に認められてきています。
これは本当に大きな進捗であり、私がフリーランス業をはじめた2014年とは、まったく景色が違うな、と感じます。
まずは、平日の退社後、週末だけ時間を取って副業的に始めてみるという方法はいかがでしょうか。
たとえば・・・
- 趣味のハンドメイドやイラストをココナラやメルカリで販売する
- Yahoo!知恵袋のお悩みにアドバイスしてカウンセリングの経験を積む
- ブログを書いてみる、そしてSNSと連携して発信してみる
- 外国語を教えるアルバイト教師として登録する
- インテリアのコーディネイトなどの写真をインスタグラムで発信してみる
などなど。
すぐに収入につながらないかもしれませんが、自分の知識やセンスを活かした活動は無限にあるはずです。
そこから予想もしなかった方法で収入につながることも、少なくありません。
事実、自分が「こんなことで?」と思えるようなことが仕事として稼ぎになる、といったストーリーは頻繁に耳にします。
また、経緯や道のりがユニークな方が、フリーランスになっても市場や地位を確立しやすく、スムーズな活動に繋がるでしょう。
まとめ:自分のフリーランス像を考えよう
まずフリーランスに向かない人の条件をおさらいします。
- ただ会社を辞めたい
- 専門的なスキルや知識、職歴がない
- 貯金がない(借金がある)
ということは、理論上この逆が「フリーランスに向いている人の条件」となるはずです。逆にしてみましょう。
- 会社を辞めてまでやりたいことがある
- 専門的なスキルや知識、職歴を持っている
- 貯金がある程度ある(借金がない)
これぞ「理想」とされる像が浮かび上がりました。
では、実際にフリーランスとして独立して活動している人はこの条件を満たしていたか、といえば、もちろん全員がYESではありません。
少なからず私は1以外は満たしていませんでした。
それでもフリーランスを5年も続けられています。
フリーランスに向いている人の条件や、フリーランスになる前に用意しておくべきことなど、
お手本や道筋をチェックしてしまうような人は、フリーランスには向いていないのです。
なんでもインターネットで検索できる時代ですから、フリーランスでやっていくための情報も調べてすぐに手に入るようになりました。
しかし会社員であっても不安定とされる現代において、「模範解答」はより通用しなくなっています。
先にフリーランスとなって活動している人の「前例」が、これからも100%正解であるとは言い切れないのです。(税金や社会的手続き以外)
どんな状況であっても自分で選択・決断し、自分の責任で進んでいく覚悟がなければ、フリーランスはもとより、社会人としての「複合的な安定」を諦めなければなりません。
逆に、責任を持って行動できる覚悟や熱量があれば、どんな状況においても道を作っていくことができるはずです。
フリーランスという生き方は、どこまでも自由度のある選択肢であり、だからこそ面白いのだと思っています。
「フリーランスで活動している人は、どうやってきたのだろう?」
そんな疑問から、フリーランスの情報を検索して、この記事にたどり着いているかもしれません。
ここまで読んで胸くそ悪く感じているかもしれません。
でも、迷っている人はこの機会に「本当に自分はフリーランスになりたいのか」をがっつりと考えてみてほしいのです。
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