海外通販にはインターネット接続が欠かせませんが、VPNという選択肢もあります。
VPN接続を利用することで、日本からアクセスしてもリダイレクトされてしまうような海外サイトを閲覧・使用できる場合があります。
また、公共Wifiのようなセキュリティ性の低いインターネット接続を使用する場合、VPN接続があれば安全なネットワークのもとで通信可能です。
本記事を読むことで、VPN接続について以下の内容を知ることができます。
- VPN接続を利用するメリット
- どんなシーンでVPN接続が役立つか?
- VPN接続とはどういったものか?
- VPN接続はインターネット接続とどう違う?
- 無料VPNの使い方と注意点
- 有料VPNサービスの特徴や費用感
- 個人向けVPNおすすめサービス3選
日常生活でVPNについて耳にすることはないかもしれませんが、知っておくと海外通販やVOD(動画視聴)などで役立ちます。
おすすめのVPNのメリットについて知り、さらに充実した海外通販を楽しみましょう。
そもそもVPN接続とは?
VPN(Virtual Private Network)は、日本語で「仮想専用回線」と呼ばれます。
VPNの仕組みをざっくり説明すると、第三者には見えない仮想トンネルを形成し、仮想的な専用線をインターネット上に構築します。
VPN接続は、送受信するデータを閲覧・解読できないよう暗号化することで、より高いセキュリティ環境での通信を実現しています。
フリーWifiはセキュリティ性が低く、情報漏えいのリスクが高いことはよく知られています。VPNを使うことで、リスクを軽減することが可能です。
VPN接続とインターネット接続の違い
VPNとインターネットは、似ていますが異なる仕組みです。
インターネットは、世界中のコンピューターネットワークを相互接続するグローバルな通信ネットワークシステムです。
インターネットを介して、Webサイトの閲覧やメールの送受信など、さまざまな通信を行えます。
一方、VPNはインターネット上に仮想的な専用通信回線を構築します。
専用線であるVPNを使ったインターネット接続は、インターネットVPNとも呼ばれます。
インターネットVPNでは、仮想ネットワークを経由してインターネット接続を行うため、匿名性と安全性が確保されます。
さらに、図で示したように、閲覧・利用するサイトやサービス側に接続するのはVPNサービスのIPであり、あなたのIPではない点もポイントです。
よって、日本のIPアドレスではアクセスできない、もしくはリダイレクトされてしまうサイトも閲覧できるようになるのです。
VPN接続は違法ではない?
日本ではVPN接続を個人で契約し、海外の通販サイトを利用することは違法ではありません。
ジオブロック(地理的な制限)で日本からアクセスできない場合でも、VPNを使ってWebサイトやサービスを利用することは許可されています。
ただし、目的次第では違法とされるため注意が必要です。例えば、以下のようなケースです。
- コンテンツの不正利用
- 違法ダウンロード
- 不正転売目的での海外通販
- アクセス制限のあるWebサイトの閲覧
- サブスクリプションサービスの規約違反(支払い逃れ)
要するに、以下のような場合にはVPN接続で法律的な問題になく利用できます。
- 個人輸入が認められている商品を海外通販する
- 旅先の国・地域でローカルサービスを視聴する
- 職場や学校のネットワーク制限を回避する
まとめると、海外通販サイトの規約を守り、合法的な商品のみを購入する限りは、個人でも問題なくVPNを契約、活用できます。
VPN接続を利用するメリット
VPN接続のメリットは、主に以下の点です。
- 端末や接続方法によらず安全な通信環境を利用できる
- プライバシー性が高まる
- ジオブロック(地域制限)を回避してアクセスできるWebサイト・サービスが増える
VPN最大のメリットは、暗号化による高い匿名性とセキュリティ性です。
法人だけでなく個人のインターネット接続でも、プライバシー保護とセキュリティ確保は重大な課題ですが、VPN接続により解消できる場面もあります。
また、VPNを使うことでジオブロックを回避し、世界中のサービスを利用可能です。
VPN接続のおすすめ活用シーン
VPNの活用がおすすめのシーンは、以下があります。
- 海外通販(日本からアクセスできないWebサイト)
- 海外のローカルチャンネルや配信サービス(VOD)の視聴
- 企業の本社と支社、店舗などの複数拠点ネットワーク
- 在宅勤務や出張先から社内ネットワークへの安全なアクセス
- クラウドサービスやオンラインゲーム
- 公共Wifiを含むセキュリティ性の低いネットワーク接続で安全性を確保
海外はもちろん、国内でも旅先で公共Wifiしかない場合に、VPNがあれば安全にネットワーク接続を利用できます。
クラウドサービスやオンラインゲームでは、より高速で安定したネットワーク通信も見込めるでしょう。
企業やブランドなどの社内ネットワークへ社外から安全に接続できるため、リモートワークや在宅勤務にも役立ちます。
VPNで海外通販する手順
VPNを使った海外通販の手順を紹介します。
- VPNサービスと契約する
- VPNサービスをインストールする
- サーバーに接続する
- 海外通販サイトに入る
- 通常通り買い物をする
VPNサービスに契約し、ネットワーク接続を利用できる状態になれば、あとはいつも通りの方法で通販するだけです。
海外通販以外にも、VODの視聴やクラウドサービスなども同じです。
有料VPNと無料VPNの違い
有料VPN | 無料VPN |
---|---|
高速通信を安定的に行える サーバー接続の国・地域が多い | セキュリティ性に優れているコストがかからない 気軽に試せる セキュリティ面の脆弱性 |
有料VPNと無料VPNとでは、費用だけでなくサーバー接続が可能な国や地域の数、通信速度の安定性などが異なります。
何よりもセキュリティ面では有料VPNの方が高いため、VPNを使うメリットである安全性を確保するためには有料VPNサービス一択と言えます。
無料で使えるVPN拡張機能の使い方と注意点
1回きりのショッピングや、一時的な接続で無料VPNを使ってみたい場合には、無料の拡張機能としてのVPNを
有名なVPN Freeのやり方を以下に紹介しておきます。※自己責任でお使いください。
VPN Free – Betternet Unlimited VPN Proxy をクリックします。
右上の「Chromeに追加」ボタンをクリックします。
右の「Add extention」を選択します。
検索バーの右あたりに青い◯が表れるので、クリックすると上記のような小さな画面が表示されます。
「CONNECT」を押すと自動で接続がスタートします。
接続されると、上記のような状態になります。青い◯の中の顔がにっこりします。
使い終わったら「DISCONNECT」ボタンをクリックすると、VPN接続は終了します。自動的に通常のインターネット接続に戻ります。
無料VPNはセキュリティリスクに注意
無料VPNは、インストールするだけで簡単に接続できますが、セキュリティ上のリスクに注意が必要です。
無料VPNサービスの中には、低品質で悪質な違法業者も存在します。
知らずに利用すると、クレジットカードの不正利用や詐欺被害、個人情報の漏えいといったトラブルに巻き込まれる可能性も出てきます。
VPNサービスを提供する側には、サーバー維持費用や開発、メンテナンスなどさまざまなコストがかかっています。無料で提供するメリットはあまりないことは簡単に想像できるでしょう。
ここで紹介しておいてなんですが、上記VPN拡張機能を使う場合は終わったら必ず接続を切る(DISCONNECTの状態にする)ことを徹底しましょう。
VPNサービスの選び方
VPNサービスを選ぶ際には、以下の点に注目しましょう。
- セキュリティ対策
- 通信速度・対応デバイス数
- 接続できる国や地域
- 料金プラン
- 信頼性
セキュリティ対策
VPNサービス選びで、セキュリティ対策は最も重要なポイントです。
せっかくVPNを使うのにセキュリティ性が低い、もしくは脆弱であればカードの不正利用や情報漏えいなどのトラブルにつながります。
安心して利用するためにも、以下のようなポイントを確認しておきましょう。
- ノーログポリシーの有無
- キルスイッチの有無
ノーログポリシーとは?
ノーログポリシーとは、ユーザーの通信記録(ログ)を残さないことを示しています。ノーログポリシーを掲げている有料VPNは、個人情報を習得しないため、プライバシーが守られています。
キルスイッチとは?
キルスイッチとは、VPN接続を切った際に、自動的にインターネット接続を切断する機能です。VPNの高いプライバシー性と安全性を確保するために必要です。
通信速度・対応デバイス数
VPNサービスによって、平均の通信速度や接続可能なデバイス数が異なります。
サーバー数が多い方がサービスは安定しやすい傾向にあります。
用途や目的に合わせて、VPNサービスを選びましょう。
接続できる国や地域
有料VPNサービスの多くは、世界各国のネットワーク接続が利用できる環境を提供しています。
アメリカやオーストラリア、フランス、イギリスなど主要な国はどのサービスでもカバーしている傾向にあります。
ただし、中国など一部地域について対応が変わるケースもあるため、確認しておきましょう。
料金プラン
各サービスで料金プランは異なり、年間契約または日数・月ごとの契約が一般的です。
契約期間が長いほど1ヶ月あたりの料金はお得になります。
キャンペーンなども含めて、コストパフォーマンスを比較すると良いですね。
信頼性
一概には言い切れないのですが、やはり運営会社の実績や経歴がある方が信頼性を判断しやすいでしょう。
また、利用者の口コミ・SNS投稿も、安全かつ安心して利用できるVPNサービスの判断材料になります。
おすすめのVPNサービス3選
日本で契約できるVPNサービスのおすすめを紹介します。
有料VPNサービスには、月額数百円ほどで利用でき、安全性や利便性が高いサービスが揃っています。
1. NordVPN
通信速度 | ★★★★ |
料金プラン | 1ヶ月プラン:1,960円/月〜 |
1年プラン:690円/月〜 | |
2年プラン:460円/月〜 | |
最大接続台数 | 6台 |
サーバー設置国の数 | 111以上 |
固定IPサービス | なし |
ノーログポリシー | あり |
スマホアプリ | あり(キルスイッチはiOSのみ) |
活用シーン | オンラインゲーム、動画ストリーミング、ビデオ通話 など |
その他の特徴 | 第三者監査あり、中国対応◯、24時間営業のカスタマーサービス |
支払い方法 | 主要クレジットカード、仮想通貨、Amazon Pay、Google Pay、Apple Pay など |
返金保証期間 | 30日 |
NordVPNは、世界中に1,400万人以上ものユーザーを持つVPNサービスで、日本でも高い知名度を誇ります。
111以上もの国に対応し、6,300台以上のサーバーに接続可能。
ノーログポリシーも確立しており、オンラインゲームや動画視聴、オンライン通話など幅広いシーンで活躍します。
プライベート環境への移行はクリック(タップ)のみ、地図やリストから選択すると自動的にアプリが接続してくれるので安心です。
NordVPNはこんな人におすすめ!
・初めてVPNサービスを使うとき
・知名度や人気があるサービスを選びたい
・24時間サポートがあると安心
料金プランもリーズナブルで、30日間の保証制度も付いています。まずは気軽に試したいという人にもおすすめです。
2. MillenVPN
通信速度 | ★★★★ |
料金プラン | 2年プラン:396円/月 |
1年プラン:594円/月 | |
ワンタイムプラン:7日638円、15日1,078円、30日1,738円 | |
最大接続台数 | 10台 |
サーバー設置国の数 | 72以上 |
固定IPサービス | あり(MillenVPN Native提供) |
ノーログポリシー | あり |
スマホアプリ | あり(一部プラットフォームのみキルスイッチあり) |
活用シーン | オンラインゲーム、動画ストリーミング、ビデオ通話、匿名ネットサーフィン など |
その他の特徴 | 純国産VPN、中国向けプランあり(MillenVPN Native OpenConnect) |
支払い方法 | クレジットカードのみ(VISA/MasterCard/JCB/Amex/Diners Club/Discover) |
返金保証期間 | 30日 |
MillenVPNは、純国産のVPNサービスで、日本語での対応が優れています。
英語が苦手でも、契約から利用までスムーズに行えるでしょう。
また、料金プランが豊富で、2年プランから数日だけのワンタイムプランまで充実しています。
安定した通信速度を確立しており、対応エリアも72ヶ国以上と十分です。
ただ、キルスイッチが一部プラットフォーム限定である点や、中国向けにプランが分かれている点は注意した方がいいでしょう。
NordVPNはこんな人におすすめ!
・数日間だけ無駄なくVPN接続を使いたい
・純国産VPNサービスがいい
・クレジットカード支払いを希望する
3. Glocal VPN
通信速度 | ★★★ |
料金プラン | 1ヶ月コース:990円/月 |
12ヶ月コース:779円/月 | |
最大接続台数 | ー |
サーバー設置国の数 | 15以上 |
固定IPサービス | あり(専用サービス) |
ノーログポリシー | あり |
スマホアプリ | なし |
活用シーン | 動画ストリーミング |
その他の特徴 | 暗号化方法AES256-SHA、日本語対応◯ |
返金保証期間 | 7日間お試しあり |
GlocalVPNは、株式会社グローカルネットが提供するVPNサービスです。
海外からGlocalVPNの独自サーバーを経由して動画を視聴できます。
用途が限定されますが、他のサービス同様の低料金で気軽に始められます。
サーバー設置数も100台と十分で、高速通信の下でストレスなく動画を視聴できるでしょう。
7日間の無料トライアルも用意されています。
VPN接続を使った海外通販の注意点
自分で安全性を高める方法
VPNサービスでは、より安全性の高いネットワーク接続を提供していますが、自身でも安全性の意識を持つことが大切です。
- 最新のVPNアプリとOSにアップデートしておく
- 迷惑メールや不自然なリンクやサイトは利用しない
- パスワードの使いまわしは避け、定期的に更新する(予測されにくい8文字以上のもの)
日頃からインターネット環境での安全対策を講じておくことで、VPNサービスを快適に使用できるでしょう。
日本への発送に対応していないサイト→輸入代行サービスや個人輸入・転送サービス
VPN接続でWebサイトにアクセスしても、残念ながら日本から通販できないケースもあります。
そもそも日本に発送していない商品やブランドは、VPNサービスを使って買い物することはできません。
その場合は、輸入代行サービスや個人輸入用の転送サービスを利用する必要があります。
当然ながら、通関時の関税支払い義務はあります。
また、著作権違反物品といった輸入禁止対象のものは輸入できないため注意が必要です。
日本国内でも違法なVPNサービスの提供事例が過去に確認されている
国内で違法VPNサービスだと発覚した事例も過去に存在します。
2018年の中国業者によるVPNルーターの無断販売や、2021年の無料VPNアプリを介した個人情報の不正収集などです。
数は少ないものの、違法または不審なVPNサービスが出回っている実態は明らかになっています。
個人で明確に判断することは難しいかもしれませんが、信頼できるVPN事業者を選ぶことが重要です。
国内でも、違法VPNサービスの監視体制は整備されてきており、今後は取り締まりが強化されると見込まれています。
まとめ:VPNサービスを使って海外通販を楽しもう
VPN接続を使うことで、海外のWebサイトやオンラインサービスを日本から利用できる場合があります。
また、海外に滞在している間に日本の動画ストリーミングを視聴する使い方も可能です。
無料VPNサービスは多数ありますが、セキュリティリスクを考慮すると信頼性の高い有料VPNサービスを推奨します。
月額数百円と低額な上、お試し期間や保証期間も設定されており気軽に始められます。
個人ユーザーが安心・安全に利用できるVPNサービスで、海外通販を満喫しましょう。
VPN接続の使用についてよくある質問
- ジオブロックを回避する方法はVPN以外にある?
-
ジオブロックを回避する方法としては、VPN接続の他にプロキシサーバーの使用や、スマートDNS、スマホのデータローミングなどがあります。
ただ、プロキシサーバーはサーバー上にIPアドレスが残りますし、スマートDNSは通信の暗号化を行いません。
スマホのデータローミングは通信料が高額になりやすく、コスパや安全性ならVPNサービスが理想と言えるでしょう。
- 無料のVPNは安全ですか?
-
無料VPNサービスのすべてが問題とは言えませんが、セキュリティリスクが高いため推奨はできません。
無料VPNはデータ収集や広告に依存する傾向が強く、ユーザーの個人情報や通信速度などを確保できない可能性があります。
セキュリティリスクを考慮すると、信頼性の高い有料VPNサービスを選ぶのが賢明でしょう。
- 一部の国ではVPNの接続を禁止しているって本当?
-
日本を含む多くの国ではVPNの利用が合法ですが、インターネット規制により違法とされる国もあります。
例えば、中国や北朝鮮は、政府が認可するVPNサービス以外は違法です。
また、トルコやドイツ、ベラルーシなどVPN利用に関して制限が付いている国も存在します。
VPNサービスを使用する際には、国の法律にも注意した方が良いでしょう。
- 無料と有料のVPNサービスはどちらがいい?
-
結論から言うと、有料VPNサービスの方がおすすめです。無料VPNは費用がかかりませんが、セキュリティ面では有料VPNサービスには劣ります。
また、無料VPNサービスの中には粗悪なサービスを提供する悪質業者も存在するため、リスクを考慮して有料VPNを利用しましょう。
コストをかけたくない場合は無料でも問題ないですが、有料といっても月額数百円から始められます。
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