1日24時間は、すべての人に平等に与えられた時間というエネルギーであり、体力や意識を含めて個人の力をいかに使うかが、人生の99%を左右します。
自分の本来の道を進むためには、必要なときにエネルギーを使い、不要なときにエネルギーを使わないようにすること。
エネルギーをいかに温存できるか、タイミングがくるまで静かに待つことができるかがすべてです。
静かに居ることの重要性という軸から話を展開しているのが、今回紹介する「静かな人ほど成功する」という本。
この記事では、「静かな人ほど成功する〜The Wisdom of Ages〜」の書評を紹介します。
邦題は「静かな人ほど成功する」とありますが、内容は原題のとおり、偉人の名言集を集めて解説したものです。
ネタバレも含まれますが、特に響いたところについて意見をまとめていきます。
かなり良書なのでおすすめです。
静かな人ほど成功するの中で好きな言葉
書籍の中で好きな名言や解説を紹介していきます。
- 成果への執着を手放す(by Leonardo da Vinci)
- 湧き上がる答えを待つ(by Jalalu’l-Din Rumi)
- お互い裁かず素直に話し合う(by William Blake)
- 「人に認められたい」という欲求を努めて退けること(by 老子)
- 人にはエゴとスピリットが備わっている(by Rabindranath Tagore)
- 法律や社会よりも心のあり方こそが尊い(by Ralph Waldo Emerson)
- 真に恐るべきことは「目標が低すぎること」(by Michelangelo)
- リスクを負ってでも自己改革(by Khalil Gibran)
1. 成果への執着を手放す(by Leonardo da Vinci)
レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉は、成果や結果への執着を手放すこと。
活動の中に楽しみをみつけること、やること自体を楽しめることに焦点を当てると、嫌な仕事や人間関係も見方が変わってきます。
2. 湧き上がる答えを待つ(by Jalalu’l-Din Rumi)
イスラーム神秘主義者であり詩人であるジャラルディン・ルーミーの言葉。
物事の見方を変えることが、現実に対する適切な対応であるといいます。
悲しい出来事や怒りを感じる状況こそ、次のステップに進むための祝福としてみなすべきである。
焦らず、事実に対する受け止め方や感情を変えることにより、不思議と事態は好転していくものです。
3. お互い裁かず素直に話し合う(by William Blake)
イギリスの詩人、画家であるウィリアム・ブレイクの言葉です。これはすべての人に一度考えてほしい名言でもあります。
本当の平穏というのは静かなものであり、平和で平安な世界にこそ、静かさが必要です。
世界にいま必要なのは、意見や価値観の違う隣人の話をもっと聞くこと。
発信やマーチも効果的ではありますが、まずは口を閉じて話し合うために、相手の話を聞くところから始めるべきなのです。
どんな相手に対しても、コインの表と裏があり、それをどこまで受け入れられるかがポイントになってきます。
相手も、そして自分自身も決して裁くことなく、冷静な話し合いの場を持てる社会が広がっていったら世界はもっと違ってくるだろうな、と思う次第です。
4. 「人に認められたい」という欲求を努めて退けること(by 老子)
哲学の書籍では必ず登場する老子の言葉は、リーダーに関してです。
人に認められたい、評価されたいという思いは意識的に手放していくことが、リーダーには特に求められています。
たとえ自分自身の評判が上がらなくても、貶めることなく人に対して信頼を与えることです。
5. 人にはエゴとスピリットが備わっている(by Rabindranath Tagore)
インドの詩人ラビンドラナート・タゴールの言葉。
スピリチュアルに詳しい人ならエゴとスピリットという言葉を聞いたことがあるでしょう。
エゴはすぐに他人や感情をコントロールしようとし、勝ち負けや優劣に敏感に反応します。
一方、スピリットはただ静かに平安であれ、とするものです。
競わず、裁かず、要求を自分にすら押し付けることはありません。
もしエゴかエゴじゃないか迷うタイミングがあれば、静かさを基準に判断できるでしょう。
6. 法律や社会よりも心のあり方こそが尊い(by Ralph Waldo Emerson)
The Secretにも登場する著名人、ラルフ・ワルド・エマーソンによる格言です。
「慣習や社会にとらわれずに独立自尊の道をゆくことが重要だ」ということを意味しています。
周りの人間関係や法律を優先するがゆえ、自分にウソをついたり、自分の本当の声を無視するのではなく、自分の本心に従って行動する人間になれ、といっています。
だんだんとそんな生き方がしやすい社会になってきているように思います。
7. 真に恐るべきことは「目標が低すぎること」(by Michelangelo)
偉大なる芸術家、ミケランジェロの言葉です。
静寂とは話題の軸がずれるかもしれませんが、目標に簡単に届いてしまうことに問題があるといいます。
また、目標を低くしすぎていると、逆に達成までに時間がかかってしまいます。
適切な目標を掲げて毎日を過ごしているかが大切です。
8. リスクを負ってでも自己改革(by Khalil Gibran)
もし今、仕事が嫌になっているとして、状況を変える選択肢は2つ。
仕事自体を楽しめるものに変えるか、仕事への取り組み方や姿勢を変えて楽しむか、です。
ただ、ときにはリスクを負ってでも、自己改革の道のためにその場から離れることも大切だといいます。
リスクや変化は人間は無意識的な拒否反応を示しやすいですが、あえてそこに飛び込んでみることが有効だったりします。
静寂の力とは少し離れるかもしれませんが、重要なポイントだと感じました。
静かな人ほど成功するで気になったこと
書籍を読むうちに、歴史の偉人についてもっと詳しく知りたくなりました。
格言が紹介されている人物だけでなく、いろいろな時代やジャンルの著名人が残した言葉に触れていきたいですね。
静かな人ほど成功するの著者プロフィール
「静かな人ほど成功する」の著者、Dr. Wein W. Dyer(ウェイン・W・ダイアー)氏の公開プロフィールです。
幼い時は、孤児院で育った。若い頃、社会的な出世をもとめてひたすら自分の地位を上げることに奔走した。しかし、哲学の世界から霊的世界への目覚めを体験し、以降、出世欲はなくなり、霊的世界を重視する生き方を提唱するようになった。霊的世界は私たちの源であり、そこからすべてが生まれていること、神とともに生きることの重要性を主張している。
ウェイン州立大学で博士号を取得、心理学博士。ニューヨークのセント・ジョーンズ大学准教授を経て執筆・講演活動に入る。全米のラジオ・テレビなどにも出演・講演を行なっている。
マズローの自己実現をさらに発展させ、「個人」の生き方重視の意識革命を提唱している人物であり、新個人主義の旗手として知られる。著作に『自分の時代―知的独立の生涯構想』、『「自分の価値」を高める力』、『「頭のいい人」はシンプルに生きる』などがある。
引用元:Wikipedia
プロローグには「こうした先人の教えから、真実を見抜く力を身に着けてほしい」とあります。
最後に:静かな人にはメリットしかない
予想外の出来事やネガティブなことに気づいたときこそ、ジタバタせず静かにする。
まずは落ち着いて、冷静に一歩、二歩引いて遠目から見てみる。
感覚を感じてみて、直感やひらめきを待つことも大切です。そのための忍耐力は育てる価値があるでしょう。
焦って行動するよりも、静寂の中にこそ探し求めているものがあるというのが、静かな人が成功するとされる所以です。
他の偉人たちの名言にも触れてみてください。きっとあなたに必要な言葉に出会えるはず。
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